夏休みの少女

query_builder 2023/07/18

夏のこの時期になると思い出す出会いがある。10年近く前だろうか、とある郊外の街のマンションの1室のリフォーム後の仕上げ清掃があともう少し、午後3時ごろ外へ出ると、ジャージ姿の中学生たちが数名の仲間で歩いている姿があちらこちらにあった。そうか、7月下旬だよね、夏休みの部活帰りだよね。私が綺麗にしている部屋は駅前からつづく歩道橋からそのまま玄関まで来れるような2階の部屋でした。夕方になって、クリーニング作業は最後に床を綺麗にしてワックスをかければ終わり、ということで、必要なくなった道具を整頓して玄関先に並べ始めた。おやつに食べようと思って買っておいたメロンパンを、重ねて置いたバケツの一番上にポンと置いて、その他の荷物を運んでいた。何往復かして荷物を運んで外へ出た時に、丁度目の前にジャージ姿の少女が一人、珍しいね、こんなところで会うなんて、と思いつつ「こんちわー」と普通に挨拶したが、挨拶を返さない。で、無言のまま両手を後ろ手に組んで後ずさりする。変な子だなと思いつつ特に気にもせず荷運びを続け、最後の掃除機がけを終わらせて掃除機も片づけたので、床の作業を始める前におやつタイムだ、とメロンパンを食べようとするが、あれっ、無い。確かここにおいたよねえ、おかしいな、別ンとこだったかな?と探してみるが無い。あれ、どこいったんだろう?と思っていると、さっきの少女の顔が・・・。くっ、食いやがったな。次の瞬間、噴き出してしまった、あのバツの悪そうな顔を思い出して。そうか、お腹空いてたか、うまそうな菓子パンが目の前にあるとつい・・・、あげるよ、食べ物にありつけて良かったね。うちにも中学生の息子がいて、お腹空かして部活から帰ってきたら、自分のパンでも食べるかいってあげるもんな。・・・何故かその出来事が嬉しいのだ、今でもあの時のあの少女の顔を思い出しては噴き出している。彼女は今どうしてんのかな、どこかの大学でまたスポーツをやってお腹空かせてんのかな、なんて想像するとまた楽しくなる。かくて変なおじさんは変なことで喜ぶのだ。


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リナー清掃

住所:埼玉県所沢市東所沢2-29-6 サンむさし野103

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